■さっぽろ保育フォーラム2019の実施報告

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さっぽろ保育フォーラム2019

 令和元年11月30日(土)に、“こどもの笑顔に関わる専門家としての保育士”をテーマとしたさっぽろ保育フォーラム2019を実施いたしました。

 保育を学ぶ学生や現場で働く方など、22名が来校。保育の現場での楽しいこと、保育士の成長についてお話しすると共に、あえて保育の現場で実際起こっている大変なことのお話しを4人の先生が実体験を含め講演されました。
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増本 真弓 先生
株式会社アイオル 代表取締役社長
※ルミナス保育園の運営会社

 キャリアコンサルタントとしての視点から,こどもたちにこそキャリア教育が必要と感じられたとのことです。そこで,こども会議を園内に設置し,バッタを飼いたいとか遠足はどこに行きたいといったような,自分たちのことは自分たちで決めるという意識を育んだり,カリキュラムという取り組みで様々なことを経験してみたりといった活動についてご紹介をいただきました。
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鎌田 妙子 先生
新琴似南保育園 園長

 現在,保育園内で起こっているさまざまな出来事についてリアルにお話をいただきました。こどもの笑顔のためには保護者さんの支援が必要なケースもあること,保育園が主導となってこどものために動かなければならないこともあることなどをお話いただきました。また,こどもを守るためには保育士の側も自己研鑽が欠かせないことも強調されていました。
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佐賀 のり子 先生
学校法人 北邦学園 理事長

 先生のご経歴について,人に助けてもらう才能もあるという気づきと,学び続けることの大切さについてお話がありました。また,こどもの笑顔のための活動としてNPO法人ハロードリームの概要についてご紹介をいただきました。最後に絵本の読み聞かせの活動についてご紹介があり,「なまえのないねこ」の読み聞かせを実演していただきました。
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唐川 香 先生
指定保育士養成施設こども學舎 専任教員

 今回のフォーラムのテーマでもある「保育現場で実際に起こっている大変な事例をあえて皆で見つめなおす」という視点で、私が出会った子どもたちの様子をお話させていただきました。
 育児疲れで、4歳の娘に辛く当たってしまう母に対し、その女の子は、小さな胸の中で精一杯お母さんの苦しみを感じているかのように、保育園では涙も流さず、普段と変わらない様子で過ごしていたという事例をお伝えしました。事件にはならない日常の中で、お母さんも苦しみ、子どもも頑張っているのです。この事例の母親は半年前に赤ちゃんを出産し、ストレスを抱えていました。4歳の娘にちょっとした意地悪をしてしまい、自己嫌悪を繰り返す母の気持ちと、大好きなお母さんに優しくしてもらえない子どもの気持ちを、受け止め、支えていく事が、私たち保育士の仕事だと改めて考えさせられます。日々の保育の中にこそ、子育て支援の課題が見え隠れしていることを忘れずに子どもたちの笑顔のために何が出来るかを皆で考えながら保育職の魅力を探究していきたいと考えます。
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 講演後の質疑応答コーナーでは、「保育士採用の基準」という保育園側への質問や、「今の日本の保育について」という大きなテーマの質問があり、それぞれの先生がお応えするなどこれからの保育を担う方の悩みや葛藤を解決するような意義のある時間になったのではないでしょうか。
 「こどもの笑顔のために、わたしたちができること」を深く考えることができるような素晴らしいフォーラムとなりました。
講演をしてくださいました4人の先生、来校いただきました方々へ御礼申し上げます。ありがとうございました。
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